灰釉陶器とは


灰釉(はいゆう)は、そもそも焼き締めのうつわ(日本では須恵器)を焼いたときの自然釉がヒントになったと思われます。燃料の木の灰が器面に乗っかり1200度以上で灰が溶け初め、温度上昇で多量の灰は溶けて流れます。「美しい」と、古代人は思ったでしょう。偶然は瞬く間に必然になります。「釉薬」の工夫がはじまりました。

 植物の灰を精製・アク抜きし、土石の粉末と水で溶いて釉薬(ゆうやく、うわぐすり)とし、素地に掛けて焼きます。釉薬が溶けるとガラス化して美しく、また器体の強化にもなります。

灰釉の器

  「灰釉陶器」

倉敷市船穂町の特産、マスカット・オブ・アレキサンドリアの古木(樹齢20年前後)灰、スイトピー摘花後の茎(4~5メートルにも伸びる)の灰、ゴザ織り残材のイ草の灰を使い、土石の粉末と調合して釉薬にし焼いた物です。 

灰とその釉薬


精製、アク抜きしたマスカット・オブ・アレキサンドリアの古木灰、スイトピーの茎・葉の灰、イ草の灰とそれぞれの灰を釉薬にした陶器です。