炻器(せっき)。釉薬は使わず、土で形成し乾燥後、窯詰めして焼くだけです。素地は土器になり、昇温が進むと素地の組成が更に変化し、熱吸収の後、放熱発光はじめます。素地の粒子が溶け合って密になり、水も通さなくなります。土の焼き締めです。
焼き締めは穴窯、登り窯、ガス窯、電気窯、灯油窯以外でも木炭を燃料にしたドラム缶窯などでも焼けます。窯の違いで味わいも様々です。
倉敷市船穂町の山土を主体にした土で成型し、「穴窯」で6~7日間の窯焚きです。窯焚きの燃料として赤松が普通ですが、当窯では、マスカット・オブ・アレキサンドリアの古木を7~8割使っています。マスカット・オブ・アレキサンドリアの灰は明るい自然釉になります。
今の窯は三代目で、窯内部の幅130cm、高さ140cm、奥行き400cmぐらいです。
窯出したばかりの作品。
花器の肩に灰が残っている。この後、一点一点、砥石やペーパーで手入れします。窯から出たばかりの焼き物はガサガサしていて、気をつけないと手を切ります。手入れ後、水洗いします。
片口鉢の中にも灰やせんべい(耐火粘土で作った窯道具。)が残っています。これもきれいに手入れします。
焼き締めの花器ですが、地元の山土で荒い土味を出しました。紐造りをして軽くロクロにかけた造りです。還元を強く掛けた焼きなので、黒っぽい色です.その為に野の花を入れると、花がとても引き立ちます。